東京唯一!カザフスタン料理が食べられる「シープマン(上野)」
こんにちは!オグです。次の疑問に答えます。
- カザフスタン料理を東京で食べたいけど、どこか提供しているところないかな。
- 検索してもウズベキスタン料理店や古い情報ばかり出てきて、純粋なカザフ料理に辿り着けない
- 日本人向けにアレンジされたものではなく、本物の味が食べたい
- ディープな店だと、日本語が通じるか、どう注文すればいいか不安
カザフスタン料理は、極めて珍しいジャンルです。
一般的なグルメサイトで検索しても「中央アジア・シルクロード料理」として一括りにされてしまい、羊肉中心のウズベク料理と混同されがちです。
Google検索で出てくる「ヴァタニム(新井薬師前)」は、現在カザフスタン料理を提供していません。
とはいえ、そもそもカザフスタン料理が何かはっきりしない方も多いはず。でもせっかく食べるなら本場の味を体験したいという気持ち、よくわかります。
そんな方に向けて、この記事では、
本記事の信頼性:
- 休日だけで年間365軒以上の東京にある海外グルメを開拓
- 海外グルメの専門家としてTV・ラジオ出演・記事執筆
- 70ヶ国以上に渡航し、現地の料理を開拓
- 東京で食べれる世界100ヶ国の料理をまとめたkindle本を出版しています
- 東京にいながら本場カザフスタン料理を味わえ、海外旅行しているような非日常体験ができます。
- 来店の前の店選びから注文時まで迷うこともなくなり、安心してカザフスタン料理を堪能できるでしょう
カザフスタン料理2選
- 馬肉と麺の料理「ベシュバルマク」
- 肉じゃがとボウルサック「揚げパン」
馬肉と麺の料理「ベシュバルマク」

ベシュバルマクは、平たい幅広麺の上に、柔らかく茹でた馬肉・羊肉と玉ねぎをたっぷりと乗せた、カザフスタンの国民食です。結婚式などお祝いの席でも提供されることで知られています。
料理名「ベシュバルマク」は「5本の指」を意味し、伝統的にカトラリーを使わず手づかみで食べていたことに由来しているそうです。
その起源は、遊牧民の生活にあるとされています。厳しい大自然の中で家畜とともに移動する彼らにとって、日常的に手に入る食材は「自分たちが育てている家畜の肉」と「交易で手に入る小麦粉」でした。
農耕を行わないため野菜はほとんど使わず、鍋一つで肉を茹で、その旨味たっぷりのスープで麺を茹でるという、究極にシンプルで理にかなった調理法が定着したのです。

またカザフスタンの極寒な気候も、材料に馬肉を使うことと関係しています。
馬の蹄(ひづめ)は硬く、分厚い雪や氷をかき分けて下にある草を食べることができます。
一方、ウズベキスタンなどでよく食べられる羊は深い雪を掘るのが難しく、厳冬期には餓死してしまうリスクが高かったのです。
広大な草原を季節ごとに移動する遊牧生活において、馬は最高の移動手段であり、もっとも適応力の高い家畜でした。
馬肉は高タンパク・低カロリーでありながら、食べると「体を温める」とされ、極寒を生き抜くための重要なエネルギー源でした。
馬肉の腸詰めソーセージである「カズィ」などは、保存食としても優れています。
食べた感想を述べる前に、注文に際しての注意点をお伝えします。
- 注文から提供まで30分ほど(お店が混んでいない時間帯で)かかるため、早めに注文するか、時間に余裕をもって来店しましょう
- お店の方曰く「肉と麺を合わせると1kgほどある」そうなので、2〜3人で注文する料理です
- 馬肉は日本ではかなり希少でウズベキスタンから輸入しています。タイミングによっては入荷がなく提供できない場合がありますので、事前にお店へ確認しましょう。私も初めて来店した際は売り切れてしまっていて、次の入荷待ちと言われました。

底が深い長方形の皿に乗って運ばれてきました!
Webメニューの写真より、かなりインパクトがあります。
左側には馬肉のソーセージ、右側には茹でたラム肉がこれでもかと乗っています。そこに玉ねぎと人参が添えられていました。

上に乗った肉を持ち上げると、下には平たい広幅麺が隠れています。
味付けは至ってシンプルで、塩・胡椒など香辛料と肉汁のみ。ですが肉汁の旨味が力強く現れていました。
和食の出汁のように、コクがあり味わい深いのです。

旨味が染み出したスープを平たくつるんと喉越しのよい麺に絡めていただきます。
平たいせいか量がなさそうに感じますが、かなりのボリュームで日本人だと1人では食べきれないでしょう。私は今回2人でこの料理を食べました。

馬肉のソーセージは、ムチっと歯に食い込むような食感があり、レバーに似た風味もかすかに感じました。
臭みはまったくなく、脂身も少ないため、大ぶりですが食べやすいです。これはかなり好みでした!

一方ラム肉はグイッと強い弾力があります。分厚いため、食べ応えも馬肉よりありますね。馬肉同様、脂身は少ないので、これだけの量を食べても胃もたれしません。
特段タレとか付けていないのに素材の味とスープだけで飽きずに食べれてしまうのが驚きです。
1人では厳しい量ですが、友人・家族を誘ってぜひ食べてほしい料理です。
そうは言ってもお値段もお値段ですし、一緒に行ってくれる人がいなくて困っている方もいると思います。
そんな方の悩みを解消すべく、シェアしながら少しづつ楽しむ食事会を検討中です。
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肉じゃがとボウルサック「揚げパン」

ボウルサック(Baursak / Бауырсақ)は、カザフスタン伝統の揚げパンです。
子どもの拳ほどの大きさで、中は空洞になっており、プクッと膨れた見た目をしています。
メインの食材は小麦粉、イースト、牛乳、卵と至ってシンプルです。

外はカリッと香ばしく、中はふわっモチッと食感。時間が経っても油がベトつかず、調理技術の高さを物語っています。
揚げパンというと、「甘いのかな!?」と思われるかもしれません。しかし「ボウルサック」に甘味はなく、塩味を少し感じる程度です。

そのまま食べてもおいしいのですが、オススメはカザフスタンの肉じゃが(おそらく「クイルダク」)と一緒に食べること。
肉(羊or牛)とジャガイモ、玉ねぎ、パプリカ!?などを使った、見た目は日本の肉じゃがにそっくりな料理です。
長時間煮込まれたジャガイモはホクホクと柔らかいです。肉や野菜の旨味がスープに溶け込んでおり、味わい深く仕上がっています。

これにボウルサックを浸けて食べてみてください!中が空洞になっているので、一口かじって穴を開け、中に具材を入れて食べるのもありだなと思いました(正しい食べ方かどうかは不明です)。
香ばしい衣と柔らかな具材やスープ、穏やかな風味の肉じゃがに塩気と、食感・味わいともに対比しており、見事な調和が生まれます。
なお、肉じゃがも日本のとは異なり、醤油の甘味はなく肉・野菜の旨味がダイレクトに出ていました。

ちなみにボウルサックは軽そうに見えて揚げているので、後半かなりお腹が膨れてきます。日本の方なら2人で1皿がちょうどいいでしょう。
この料理が生まれた背景には遊牧民文化が関係していると言われています。
遊牧民にとって大事なのは、移動に際して持ち運びが便利で日持ちし、腹持ちがいいことです。常に新鮮な食材が取れるとは限りませんから。
またお祝いの席などでボウルサックを高く積み上げることもあるそうで、これは豊さや幸せを象徴するものだそうです。
言われてみれば、今回も細長いお皿にボウルサック積み重なって提供されました。お祝いではないので量は限られますが、この文化を案に示しているように感じましたね。
「シープマン」自慢のウイグル料理・タタール族の料理4選
- マンタ3種盛り
- ウイグル・バハリ
- ウイグル・カトカト
- タタール族のケーキ
マンタ3種盛り

「マンタ」とは、小麦粉を練った生地で具材を包み、蒸し上げるウイグルの蒸し餃子・肉まんのような料理です。
モチモチとした薄皮(おそらく発酵させない生地で作るタイプ)に、羊肉・カボチャ・唐辛子の餡が包まれています(2こずつ)。

羊肉と玉ねぎを使った王道のマンタは、肉汁あふれジューシー。旨味が口の中で弾ける感覚です。
ウイグルはイスラム教の戒律(ハラール)に従うため、豚肉は使いません。代わりにラム肉が主となります。クミンや黒胡椒といったスパイスも効いており、肉の旨味を引き立て、特有の香りも生み出していました。
現地でも人気だという、カボチャのマンタ。カボチャ本来の甘味と、ホクホクとした食感が特徴です。具材が羊肉のとは違い、マイルドで優しい風味を楽しめます。
唐辛子の餡を入れたマンタは、ぎゅっと凝縮したラム肉の旨味に程よい辛さが加わったバージョン。肉汁あふれるマンタとは異なり、旨味がじわじわ伝わってくる感じです。

マンタのルーツも見ておきましょう。
「マンタ」という料理名は、中国語の「饅頭(マントウ)」に由来すると言われています。
古代中国の饅頭は、現在の「包子」のように中に肉などの餡が入っていました。
この「小麦粉の皮で肉を包んで蒸す」という技術が、シルクロードの交易を通じて西へ伝わり、ウイグル人(テュルク系民族)に伝わった際、彼らの食文化(遊牧民由来の羊肉食と、イスラム教のハラール)と融合。豚肉から羊肉へ変わり、クミンなどの香辛料が加わることで独自の料理へと進化を遂げました。
ウイグルのマンタはさらに西へと伝播し、中央アジアでは「マンティ」、アフガニスタンではヨーグルトソースをかける「マントゥ」、そして遠くトルコでは極小サイズの「マントゥ」へと姿を変えながら根付いています。
ウイグル・バハリ

「ウイグル・バハリ」は、黒糖とクルミ、蜂蜜を使った素朴なケーキです。
スポンジケーキよりも少し硬めで、しっとり・ふわふわとした食感。
黒糖やハチミツの甘みと、ふんだんに練り込まれたクルミの香ばしさが口の中で広がります。
このケーキは純粋にウイグル発祥ではないとされています。
ウイグル自治区に移住してきたロシア人のケーキ作りの技法と、地元の特産品であるクルミやドライフルーツが融合し毒実に発展したとされているのです。
素朴で甘すぎないので、スパイシーな羊肉料理のあとにぴったりです!
ウイグル・カトカト

「ウイグル・カトカト」は、牛乳(練乳!?)・砂糖・蜂蜜などを使用したケーキです。
練乳を練り込んだ、ふんわり食感の生地と蜂蜜が層を成しています。
もともとウイグルや中央アジアには、「カトラマ」と呼ばれる、生地を何層にも重ねて焼くパンやパイの文化が根付いていました。
この伝統的な「層を作る」製法を、甘いケーキに応用したのが始まりとされます。
ウイグル自治区は牛乳や羊乳など、乳製品(バター、クリーム、煉乳など)が豊富に手に入る地域です。
これらの乳製品を層を作る技術と掛け合わせ、カトカトが誕生しました。
タタール族のケーキ

激レア!タタール族のケーキなる料理をメニューで発見し、即注文しました。
小麦粉・生クリーム・蜂蜜と、非常にシンプルな材料で作られています。

一見、ロシアなどで親しまれているケーキ「メドヴニーク」かなと思いました。しかしウイグル人の店員さん曰く、「似ているけど、別物」とのこと。
食べてみると「確かに」と思いました。メドヴニークより甘さ控えめです。

クリームのふわっと感と、蜂蜜の微かな甘さ香る、しっとり生地が交互に織りなす食感が心地いいですね。

ほんのり甘いスイーツには、ウイグルを代表する塩味ミルクティーが最高に合います。
トロンとした口溶けも、香港などほかの国のミルクティーとは異なるので、試してみてください。

また、モンゴルのミルクティーと似ていると思った方もいるかもしれません。しかしモンゴルのミルクティーは「食事系(具材を多く入れる)の色合いが強く、ウイグルのとは違う」と、店員さんから教えてもらいました。
塩味ミルクティーが、ウイグルの人々の生活に根付いたのには、地理的・歴史的な背景があると言われています。
- 過酷な気候での塩分・水分補給:新疆ウイグル自治区は、激しい気温差と乾燥が特徴で、その中で労働するためには、発汗で失われる塩分と水分の同時補給が不可欠でした。
- 農耕・オアシス文化と遊牧文化の融合:ウイグル族はオアシスでの「農耕(小麦文化)」を基盤としつつも、周辺の「遊牧文化(牧畜・乳製品)」の影響を強く受けてきました。お茶に乳脂肪を入れるのは、乾燥地帯で効率よくカロリーを摂取するための遊牧民的な知恵です。
- 交易路の恩恵:お茶自体はウイグルの土地では育ちませんが、古くからシルクロードの交易の要衝であったため、中国内陸部から運ばれてくる、固めて発酵させた茶を容易に入手できる環境にありました。
シープマン(上野) 店舗詳細
メニュー
メニューは公式HPをご覧ください。
お店の注文はQRコード(日本語や料理・ドリンクの画像付き)で行います。
わからない場合、スタッフさんに日本語で質問もできますよ。
予約・お問い合わせ
- 予約可
- 03-6284-7383
雰囲気
内観
- 広々とした空間にウイグルの調度品が飾られ、装飾が施されています
- テーブルに置かれたカトラリーや皿からもウイグルらしさを感じるとともに、洗練された雰囲気を醸し出しています
- オープンキッチンで調理スタッフが現地語で喋る異国感
- フロアのスタッフはウイグル人ながら、日本語は流暢なので心配いりません。オススメや料理の説明も丁寧にしてくれます
- お客さんの3割程度は日本人で、残りは中国人のように思えます


半個室。洞窟の壁に空いた穴に壺や皿などを展示したような造りで、とても趣があります。

カザフスタンを象徴してでしょうか。馬の絵も飾られています。


金曜日の夜はステージで演奏が行われるようです。
外観

このビルの3階です。

混雑状況・料理提供時間
- 混雑状況:ランチのピーク時間帯は8〜9割程度埋まっていました。団体なら予約が無難です。
- 料理提供時間:比較的早く(15分ほど)提供されるイメージです(一部の料理除く)
店舗基本情報
- 東京都台東区上野7丁目2-5 ニューウエノビル東館 3階
- JR山手線ほか「上野」駅 浅草口 徒歩2分
- 11:30–23:00
- 無休
- 現金・クレカ・PayPay支払い可
- 公式Instagram:@sheepmannnnn
- 公式HP
- 注意:
Googleマップや食べログでは、旧店舗が閉店と出てくるようです。
新しい店舗になって営業していますので、誤解しないようにしてください。
【まとめ】東京にいながら、カザフスタン料理を堪能しましょう!

- 東京にいながら本場カザフスタン料理を味わえ、海外旅行しているような非日常体験ができます。
- 来店の前の店選びから注文時まで迷うこともなくなり、安心してカザフスタン料理を堪能できるでしょう
最後にここまでの内容を簡単に振り返りましょう!
東京にいながら、本場のカザフスタン料理を味わえる「シープマン(上野)」
ウイグル&タタール族の料理
- マンタ3種盛り
- 小麦粉を練った生地で具材を包み、蒸し上げるウイグルの蒸し餃子・肉まんのような料理
- ウイグル・バハリ
- 黒糖とクルミ、蜂蜜を使った素朴なケーキ
- ウイグル・カトカト
- 牛乳(練乳!?)・砂糖・蜂蜜などを使用したケーキ
- タタール族のケーキ
- 小麦粉・生クリーム・蜂蜜と、非常にシンプルな材料で作られています。
- 塩味ミルクティーがよく合います
「シープマン」の雰囲気
- 広々とした空間にウイグルの調度品が飾られ、装飾が施されています
- テーブルに置かれたカトラリーや皿からもウイグルらしさを感じるとともに、洗練された雰囲気を醸し出しています
- オープンキッチンで調理スタッフが現地語で喋る異国感
- フロアのスタッフはウイグル人ながら、日本語は流暢なので心配いりません。オススメや料理の説明も丁寧にしてくれます
- お客さんの3割程度は日本人で、残りは中国人のように思えます

実は、東京にはカザフスタンやウイグル料理だけでなく、世界100ヶ国以上の料理が食べられるお店が存在します。
「パスポートなしで世界を旅したい」そんな方に向けて、私が実際に足を運んで厳選したお店をまとめた一冊が、『東京グルメで世界一周 – 世界100ヶ国の料理』です。
kindleの読み放題サービスを初めて利用する方なら無料で読めます。利用が2回目以降の方も割引価格でお得に読めますので、ぜひのぞいてみてください。
本書を手元に置いておけば、「今週末はどの国の料理を食べに行こう?」と、毎週新しい国へ”旅する”楽しみが生まれます。カザフスタンの次はどこへ行きますか?


