タコスではない!アルジェリア系移民にルーツをもつフレンチタコス
こんにちは!オグです。次の疑問に答えます。
- フレンチタコスって何?普通のタコスとどう違うの?
- 東京で食べられるところあるのかな
「タコス」と聞いたらメキシコのタコスを想像しますよね。私も初めて「フレンチタコス」を知ったときは戸惑いました。
本記事の信頼性:
- 休日だけで年間365軒以上の東京にある海外グルメを開拓
- 海外グルメの専門家としてTV・ラジオ出演・記事執筆
- 70ヶ国以上に渡航し、現地の料理を開拓
- 東京で食べれる世界100ヶ国の料理をまとめたkindle本を出版しています
- フレンチタコスを「移民文化が生んだ現代フランスの食」として理解でき、多文化への興味が広がるでしょう
- フレンチタコスが何かわかり、「怪しい・よくわからない料理」から、安心して選べる一品になります
- 東京にいながらフレンチタコスやアルジェリア人オーナーとの会話を楽しめ、海外旅行しているような非日常を体験できます
アルジェリア系移民コミュニティが起源!フレンチタコス

「French Tacos(フレンチタコス)」は、名前に「タコス」とついていながら、メキシコ料理とは似て非なるフランス独自のファストフードです。
そしてこの料理の誕生と普及には、アルジェリア系移民が重要な役割を果たしています。
要点はこちら▼
- 開発者はアルジェリア系フランス人
- イスラムの食文化(ハラール)との結びつき
- チーズソース
- 大手チェーン「O’Tacos」の台頭
開発者はアルジェリア系フランス人

フレンチタコスの起源には諸説ありますが、もっとも有力な説は2000年代初頭にリヨン近郊(ヴォ=アン=ヴランなど)のアルジェリア系コミュニティで生まれたというものです。
アルジェリア系移民が営むケバブ屋の店主たちが、既存のケバブやサンドイッチをアレンジし、トルティーヤで肉やフライドポテトを包んでプレスしたのが始まりとされています。
なぜタコスと呼ばれたのかは不明確ですが、一説にはアレンジした料理を見た人に「何これ?」と尋ねられ、咄嗟に「タコス」と答えたのが名前の由来ともされています。
その特徴はメキシコのタコスとは異なり、「肉・ポテト・ソース」をトルティーヤで四角く包んで焼くという、ボリューム満点のスタイルにあります。
- 肉
- ひき肉:ポピュラーなベース。
- チキン: グリルチキン、チキンナゲット、チキンテンダー(揚げ物)など
- メルゲーズ: スパイシーな羊肉・牛肉のソーセージ
- コードン・ブルー: ハムとチーズを鶏肉で包んで揚げたもの。非常にボリューミーです
- ポテト:フレンチタコスにおいて、ポテトは「付け合わせ」ではなく「具材」です。トルティーヤの中にたっぷりとポテトを敷き詰めます。
- ソース:これが味の決め手。通常、2種類のソースを入れます。
- チーズ(ホワイト)ソース: 必須。生クリーム、エメンタールチーズ、チェダーなどを煮詰めた濃厚なソース
- アルジェリアンソース: マヨネーズをベースに、玉ねぎ、ハリッサ(唐辛子ペースト)、クミンなどを混ぜたピリ辛でスパイシーなソース
イスラムの食文化(ハラール)との結びつき

フレンチタコスがアルジェリア系移民の間で爆発的に広まった大きな理由は、それがハラール(イスラム法で許容された食材)であったことです。
フランスの北アフリカ系移民にとって、マクドナルドなどの大手チェーンでは食べられるメニューが限られていました。豚肉や正しい処理をされていない肉は、ハラールの戒律でNGだからです。
アルジェリア系の店主が提供するフレンチタコスは、自分たちの宗教的アイデンティティを保ちつつ、若者が好む「ジャンクでボリューム満点な食事」を楽しめる場所となりました。
チーズソース
フレンチタコスを定義づける白いチーズソースも、アルジェリア系店主たちの工夫から生まれたとされています。
アルジェリアの伝統料理には、クリーミーなソースや乳製品を使う文化があり、これがフランスのチーズ文化と融合しました。このソースがあることで、パサつきがちな肉やポテトが一体となり、中毒性のある味に仕上がっています。
大手チェーン「O’Tacos」の台頭

フレンチタコスをフランス全土、そして世界へ広めた最大手チェーン「O’Tacos」の創業者たちも、アルジェリアにルーツをもつ人々です。
彼らは移民街のB級グルメだったタコスをブランディングし、SNSを駆使してフランスの若者文化の象徴へと押し上げました。現在では、アルジェリア本国にもフレンチタコスの店舗が逆輸入される形で進出し、人気となっています。
アルジェリア人が作るフレンチタコス(ポリトリ/入谷)
本場仕込み!安くてボリューム満点のフレンチタコス

「ポリトリ(入谷)」ではアルジェリア人が作るフレンチタコスを味わえます。
私が行ったとき、木の板で作られた小テーブルで、オーストラリア人旅行者がフレンチタコスを召し上がっていました。通路沿い、バス停のすぐそばにあるお店は意識していないと気づきません。

アルジェリアの国旗が描かれたポストが雰囲気を出しています。
店頭には大きなオーブンが置かれ、中にはこんがりと焼かれたロティサリーチキン。気になってメニューを見ていると、明るいアルジェリア人店主が話しかけてくれました。フレンチシェフとして長年働き、ロンドンなど世界を舞台に仕事をされてきたとか。
日本人の奥様との出会いもあり、日本に来ました。来日した当初は今ほどインターネットやSNSが発展しておらず、すべてが大変だったと言います。それでも今では日本が大好きだと語る店主。日本語も非常に流暢です。

早速フレンチタコスを食べようとメニューを見ても、「フレンチタコス」という料理名がありません。その代わり「グリラップ」という何とも聞き慣れない料理名が。
「これってフレンチタコスですか」と尋ねると、「そうだよ!食べたことあるの?日本人にフレンチタコスと言っても分からないでしょ!?だからこの名前にしているんだ」と語ってくれました。
実は私フランス・リヨンに行ったとき、現地で興味をもって注文したことがあったんです!そこから話が弾み、「アルジェリアはフランスからすぐ行ける」、「フランス・マルセイユのような素敵な街がある」、「アルジェリアのオリーブオイルは安くておいしい」など、現地の方ならではのお話を聞かせてくれました。
アルジェリア人店主は物腰やわらかく素敵な方。店の前を通りかかった常連と思しき子どもにも気さくに挨拶していました。
4種類のフレンチタコスのなかで、オススメはロティサリーチキンを入れたもの。そこにチーズトッピングをして、アルジェリアンソースを選びましょう。

注文を受けると狭い厨房でトルティーヤの生地を広げ、具材を載せ始めました。ライブキッチンのごとく様子が見えるのも楽しいです。リヨンで食べたときは中身を包む様子が見られなかったので。
肉、ポテト、コーン、玉ねぎ、チーズなどをたっぷり入れ、ホワイトソースと秘伝のアルジェリアンソースで絡めます。トルティーヤの生地を四角く閉じてプレス機で焼きます。

表面にこんがりと焼き目が付いたフレンチタコスを紙袋に入れて手渡し。手に持った瞬間、ずっしり重い。そして熱々です。オーストラリア人と同じカウンター席でフレンチタコスを頬張ります。
表面の香ばしい食感から、食べ進めるにつれて折り重なったトルティーヤのもっちり感が伝わってきます。

中には熱で溶けてトロトロになった具材がソースと絡み合っています。具沢山でボリューミーではありますが、野菜も多くマイルドな風味なので、ずっと食べていても飽きがきません。
これは画期的なB級グルメです。しかもチーズトッピング入りでたった700円。とても安いのです。
アルジェリア人店主はフレンチの経験も長いので、将来はフランス料理とアルジェリアのパンを一緒に提供するお店も出したいそうです。
私が知る限り、都内にアルジェリア人が営むお店はほかに存在しません。お客さんの大半がフランス人とのことで、日本人にももっと知ってほしいと語る店主。本場仕込みのフレンチタコスをぜひ食べに行ってみてください!
Pouletori(ポリトリ)店舗詳細
テイクアウトメニュー

予約・混雑状況・料理提供時間
- 予約:可
- 混雑状況:
- 先客:1人(海外の旅行者)
- 来客:4人(日本人)
- 料理提供時間:5 〜 10分(混雑状況により変わります)
*2026年1月土曜日11時ごろ訪問
店舗基本情報
【入谷】Pouletori(ポリトリ)
- 東京都台東区下谷2-3-1
- 070-1355-1980
- 東京メトロ日比谷線「入谷」駅 徒歩2分
- 11:00 – 14:30、17:00 – 20:00
- 金曜ランチ・日曜 定休
- 現金・PayPay・電子マネー決済
- 公式Instagram:@poule.tori
【まとめ】フレンチタコスを食べてみよう!
- フレンチタコスを「移民文化が生んだ現代フランスの食」として理解でき、多文化への興味が広がるでしょう
- フレンチタコスが何かわかり、「怪しい・よくわからない料理」から、安心して選べる一品になります
- 東京にいながらフレンチタコスやアルジェリア人オーナーとの会話を楽しめ、海外旅行しているような非日常を体験できます
最後にここまでの内容を簡単に振り返りましょう!

フレンチタコス
「メキシコの名前」をもち、「フランスの食材(チーズやフライドポテトなど)」を使い、「アルジェリア系移民の創造性」によって生まれた、ハイブリッド料理と言えるでしょう。
- 開発者はアルジェリア系フランス人
- イスラムの食文化(ハラール)との結びつき
- チーズソース
- 大手チェーン「O’Tacos」の台頭
特徴

メキシコのタコスとは異なり、「肉・ポテト・ソース」をトルティーヤで四角く包んで焼くという、ボリューム満点のスタイルにあります。
主な材料はこちら▼
- 肉
- ひき肉:ポピュラーなベース。
- チキン: グリルチキン、チキンナゲット、チキンテンダー(揚げ物)など
- メルゲーズ: スパイシーな羊肉・牛肉のソーセージ
- コードン・ブルー: ハムとチーズを鶏肉で包んで揚げたもの。非常にボリューミーです
- ポテト:フレンチタコスにおいて、ポテトは「付け合わせ」ではなく「具材」です。トルティーヤの中にたっぷりとポテトを敷き詰めます。
- ソース:これが味の決め手。通常、2種類のソースを入れます。
- チーズ(ホワイト)ソース: 必須。生クリーム、エメンタールチーズ、チェダーなどを煮詰めた濃厚なソース
- アルジェリアンソース: マヨネーズをベースに、玉ねぎ、ハリッサ(唐辛子ペースト)、クミンなどを混ぜたピリ辛でスパイシーなソース
【入谷】Pouletori(ポリトリ)

アルジェリア人が作る、本場仕込みのフレンチタコスを味わえるお店

いかがでしたでしょうか?「フレンチタコス」を食べてみたいと思っていただけたら幸いです。
この記事を読み終えたあなたは、きっと「もっと色々な国の食文化を知りたい!」という新しい探求心に目覚めているはずです。次は「世界一周」へ飛び出しませんか?
この記事で紹介した「フレンチタコス」のほかにも、東京ではアルジェリアの砂漠パンを味わえます。そんな貴重なグルメを取り上げたのが、私の著書『東京グルメで世界一周 – 世界100ヶ国の料理』です。
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